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1ー2

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1ー2

―――数時間後。

天津風は途方に暮れていた。
庁舎内の何処を探しても、"第一技術試験戦隊"なる艦隊の執務室が見つからないのである。

「横鎮には知り合いは居ないし…どうしよう…。」

すれ違う駆逐艦娘を何人か捕まえ、聴いてみてはいるものの、皆一様に知らない、と答えるのであった。

しかも―――、

(…聞いた? 一技戦だって。)
(えっ、"あの"? あの噂本当なの?)
(…だって今の陽炎型の子が言ってたじゃない。)
(えー、やだ、怖いよ。)

―――と、言う具合に、第一技術試験戦隊の名前を出した途端に、周囲がひそひそと話し始めるのである。

…確かに最初から、聴いた事もない妙な艦隊名だとは思っていたが、まさか横鎮の艦娘ですら、誰も場所を知らないとは。

仕方がないので、最後の手段として、畏れ多くも軽巡の先輩に聞いてみる事にした。
ベテラン揃いの彼女達でも知らないとなれば、本当にお手上げである。
調度良く、軽巡の――恐らく長良型の艦娘が通り掛かった。
服装を整え、意を決して声を掛ける。

「あのっ…、すいません。一つ、お尋ねしても宜しいでしょうか。」
「…あら? …あまり見ない子ね。どうしたの? 迷った? 横鎮は初めてかしら。」
「はい、本日こちらへ転属となりました、陽炎型九番艦、天津風です。…あの、第一技術試験戦隊…という艦隊をご存じでしょうか?」
「ん…? 第一…ぎじゅつ…? …ああ、一技戦ね。」
「…ご存じですか!?」
「ええ。あなたも、一技戦に転属なのね。あ…、でも、それならここじゃないわよ。」
「へ?」
「あそこはちょっと、特殊だからねえ…。ちょっと待ってね、一技戦の執務室は…。」

その軽巡の艦娘は、手帳を取り出して、簡単な地図を書き込むと、ページを破り、天津風へ手渡した。

「ここに夕張って子がいるから、詳しくはその子に聞いて。彼女も一技戦の艦娘だから。」
「それじゃあ、私は行くわね。…たぶん色々苦労すると思うけど、頑張ってね、天津風ちゃん。」

「は、はい。ありがとうございました!」

そう言いながら、天津風は最後の一言が、妙に引っ掛かるのを感じていた。

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描いたもの:二コ静
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